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イップス

第一話「イップスを改善したい方へ」 動画で見る

 
イップス|スポーツ障害|書痙|発声障害|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡

 
まず初めに申し上げておきたいことは、長年の経験から、イップス症状は施術者は勿論、患者さまにも本気になっていただかないと改善が難しい性質がありますので、ここでは「イップスを本気で改善したい方へ」とあえて「本気」という表現をしております。

イップスというと、ゴルファーや野球選手の間ではよく知られており、最近ではスポーツ以外にも音楽関係や文字を書く、発声に関係する職業の方にも「イップス」が知られているようです。
 
しかしながら、ジストニアの専門書(梶龍兒、ジストニアのすべて-最新の治療指針 2013)では、肩こり、筋緊張性頭痛(頭部ジストニア)、ドライアイ(眼瞼痙攣)、顎関節症(口顎部ジストニア)、腱鞘炎(書痙、音楽家の痙攣など)、頸肩腕症候群(上肢ジストニア)、心因性失声症(痙攣性発声障害)、腰痛(体幹ジストニア)なども見逃されやすい「軽症ジストニア」として分類されています。
 
私も心身条件反射療法、PCRTと呼んでいる治療法を長年研究していて、さまざまな慢性症状がイップスの原因メカニズムに類似していると以前から考えていました。ですので、長年の経験を活かしてイップスは自信をもって治療することができると考えています。
 

ほんとうにイップスなのか|普通にできていたパフォーマンスができなくなる|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡

イップスにも様々な種類、程度がありますが、理想のパフォーマンスができないのはイップスが原因なのか?
ほんとうにイップスなのかということを知ることも大切です。

「イップス」であるという前提に、今まで普通にできていたパフォーマンスが急にできなくなるという特徴があります。これは、本人が気づかずに周りの両親がいつも観察していて「前はできていたのにおかしい・・・」というケースもありあす。
 
その一方で、高みを目指して、まだ経験したことがない理想のパフォーマンスができないというのはイップスではありません。それは、フォーム改造や、練習の仕方や練習量を見直す必要があります。
分かりやすくいうと、今まで何度もできていたパフォーマンスが、怪我をしたわけでもなく突然できなくなるのがイップスです。これは、身体的運動機能だけでなく、思考パターンにもイップス現象が生じ、問題がない場面で、なぜか不安が生じてしまい、思うような動作ができないというのもイップスになります。
 
イップスを本気で治そうとしている方で、ご興味のある方は、続きの第6話までの動画をご覧いただければ幸いです。

第二話「イップスを治すために必要な考え方」 動画で見る

 
イップスを治すのには治療者に任せればいいのでは? なぜ、患者が治すための考え方を知る必要があるのか? と思う方もいらっしゃるかもしれません。
 
西洋医学の治療であれば医師にお任せすればいいのですが、自然治癒力を制限する誤作動を調整するような治療法では患者さんにどのように治るのかというメカニズムをある程度知っていただき、治療に参加していただく必要があります。
 
イップス症状の患者さんを長年治療させていただいて、イップスを治すために、いつも患者さんにお伝えしている必要な考え方がいくつかあります。治療効果を引き出すためにとても大切なことですので、ぜひ理解していただきたいと思います。
 
何事も原因があっての結果ですので、まず、イップスの正しい原因の理解が必要です。
 
イップス症状を長年に渡って研究し、改善してきた治療家として、一般的にイップスを改善するための考え方や方法論が間違っている方が多いのではないかという印象を持っています。そのことも含めてできるだけ分かりやすく解説させていただきます。
 

イップス|治すための考え方|質の問題?|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

最初に陥りやすいのは、イップスは運動動作の問題、すなわち質の問題なので、そのフォームを変えてイップスを治そうとするパターンです。
 
多くのイップスを患っている人がそのように考えて最初は動作を治そうとします。その気持ちはよく分かります。もしかすると、フォームの改造で治ったという方もいるかもしれません。
 
フォームの改造で治るのであれば、イップスではなかった可能性もあります。軽いイップス症状だったかもしれません。あるいは、元のフォームには戻せずに、全く違ったフォームでパフォーマンスを行っているかもしれません。でもそれはイップスが改善したとは言い難いと思います。
 
イップスの特徴の一つに感覚トリックというのがあって、身体に別の刺激を入れるとイップスが少し改善される特徴があります。もしも、その感覚トリックでフォームを変えているのであれば、本来のパフォーマンスに戻せたとはいえないと思います。
 

イップス|治すための考え方|技量の問題?|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

次は、練習量や体力、技量の問題であると考えるかもしれません。
 
確かにアスリートや音楽家などあるレベルのパフォーマンスに達するためには、繰り返しの練習が必要です。繰り返し練習して、試合中、競技中、演奏中には、意識しなくても身体が勝手に反応するレベルまで身体に覚え込ませることが必要です。
 
そのような意味でパフォーマンスを上げるための練習量やその強度を上げていくことは必要不可欠になると思います。しかし、イップスは、先ほども述べているように、すでにできているパフォーマンスができなくなる症状なので、練習量、体力、技量とは関係ないわけです。
 

イップス|治すための考え方|心の問題?|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

次は心の面です。確かにイップスは心の深い領域の信号に関係していますが、一般の人たちが考えるようないわゆる精神論的な問題が原因ではないといえます。
 
私の経験や同じ治療法でイップスを改善している先生方の意見を伺っても、そもそも、イップスを抱えているアスリートや音楽家は、努力家で勤勉で、メンタルレベルの高い方が多いという印象を持っています。

イップスに関係する心の信号は、無意識レベルの心の信号で、それは身体の反射作用を使った特殊な検査法(生体反応検査法)を行わないと分からないレベルの反応です。恐らく表面的なカウンセリングでは顕在化されないでしょうし、よほど深いレベルの心理療法でないと引き出せないレベルの心の信号の誤作動が関係していると考えられます。
 

イップス|治すための考え方|身体の問題?|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

もしかすると、イップスの原因を身体の問題にするケースがあるかもしれません。例えば、骨盤や背骨の歪み、筋膜、神経機能などさまざまな身体領域に焦点を当てた治療法があります。
 
しかし、身体だけの施術で改善されるのであれば、それはイップス症状とは言い難いでしょう。イップスを改善するためには「心身相関」という心と身体の関係性でアプローチすることが必須条件になります。
 

イップスによる悪循環|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

イップスの原因は、身体の機能的問題や一般論的な精神問題ではありませんが、イップスになると、身体面やメンタル面にも二次的に影響を及ぼして悪循環が強化されてしまします。

第三話 イップスは「生体信号」の問題 動画で見る

 
イップスは、フォームや練習法、表面的なメンタルや身体の構造的な問題ではないということを前の動画で解説させていただきました。では何が問題なのか、何が原因なのかということですが、イップスは生体信号の問題なのです。
 
生体信号とはなんでしょうか? 一般的に知られているのは脳、神経系の電気信号です。イップスの改善のためには、「イップスは電気信号の問題である」ということを理解することが必要です。
 

イップス|治すために必要な理解|神経系の電気信号の問題|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

身体の働きをコントロールする司令塔は脳ですが、この脳を解剖学的に見てみると、白子のような塊です。でも肝心なのはこの塊ではなくこの塊を構成する数千億とも言われる神経細胞が作る電気信号です。最先端の脳科学で分かったことは、脳は「たわし」のような電気信号の「塊」でもあるということです。

目で確認できる白子のような塊をハードウエア、目では確認できない電気信号のネットワークをソフトウエアとして説明すると、イップスは目では確認できないソフトウエアの問題、すなわち、脳の信号のプログラムの問題であるということです。
 

イップス|無意識の信号|自律神経系|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

人が身体を動かす際、脳から意識で命令します。その際、運動神経を通じて電気信号が流れて、筋肉を動かします。一見、意識の電気信号だけで動かしているかのように感じますが、実は無意識の電気信号が意識できないところで微妙なバランスを調整しているのです。
 
無意識の信号としてよく知られているのは自律神経系で内臓などを無意識にコントロールしていますが、無意識の信号は筋肉など身体の自動運動の神経信号にも関係しており、この無意識の信号の誤作動がイップスの原因として重要なカギになります。
 

人の顔を見たときの反応|電気信号の活性化|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

この図が示しているように、脳の電気信号は人の顔を見ただけで、電気信号が活性化しますし、何かを意識することでも電気信号が活性化します。
 

イップス|意識と無意識の信号|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

この図は意識と無意識の信号を小人で表しています。心身一如という言葉があるように、頭で考える意識と、自動的に動く身体の無意識は調和していることが大切です。もしも、意識と無意識に不一致が生じると、身体に不調が生じます。

 
イップス|意識と無意識の不調和|運動神経の信号|誤作動記憶|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

イップス症状は、この意識と無意識信号の不調和に運動神経の信号が絡んで、誤作動を生じさせ、それが脳に記憶されることが原因だと考えられます。その誤作動の記憶を心身条件反射療法、PCRTでは「誤作動記憶」と言っています。
 

イップス|神経信号の混線|大脳基底核|扁桃体|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

脳科学的にもう少しイップスの神経信号が生じている部位を示すと、脳の深い領域で、運動機能に関係する大脳基底核と情動に関係する扁桃体という部分です。どちらも大脳辺縁系と呼ばれる領域で無意識の信号に関係して、これらの神経信号の混線がイップス症状の原因として考えられています。PCRTではこの神経信号の混線を整理し調整してイップスを改善していると考えています。

第四話 イップスに関係する「誤作動記憶」は、無意識の心の信号がカギとなる 動画で見る

 

イワン・パブロフ|パブロフの犬|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡

 
イップスの改善に関係する古典的な理論があります。
この方はパフロフの犬で有名なノーベル生理医学賞を受賞されているイワン・パブロフという方です。条件反射などの研究で知られており、PCRTの治療理論にも深く関係し、イップス症状がなぜ改善するかの理論にも通じます。
 

イップス|誤作動記憶の調整|無意識の信号を特定|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
イップスの改善|運動機能の回復|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

みなさんには梅干しやレモンを想像しただけでも唾液がでる経験はあると思います。これも過去の経験、学習から生じる正常な条件反射です。イップス症状もこの条件反射が関係しており、もっと複雑で病的な条件付けが絡んでいます。
 
要は、運動神経が誤学習をして脳に記憶されている状態で、その誤学習を再学習させて健全な運動機能に回復させることが必要になります。ただ、誤学習といっても、無意識的な条件付けなので、どのような無意識が運動神経の誤作動に関係しているかを明確にして調整しなくてはなりません。

そのために、PCRTの治療では特殊な検査で無意識の信号を引き出して誤作動記憶を調整します。イップス症状の程度によりますが、一回の治療で全ての誤作動記憶が調整できるというよりも、繰り返し調整することで、無意識の誤作動信号に関係する神経の混線を徐々にほぐしていくという感じで症状が改善していく傾向があります。
 

イップス|無意識の誤作動に関するチャート|PCRT|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

PCRTの無意識の誤作動の検査は、まずこのようなチャートから関係する言語を検出します。そして、施術者が質問を投げかけてイップスに関係している誤作動記憶の信号を引き出して調整していきますので、患者さんと施術者との信頼関係はとても大切です。

第五話 「無意識の心」の理解が早まると、イップスの改善が早まる! 動画で見る

 
イップスを改善するための前提条件として、意識と無意識という心を理解することが必要です。ある程度の心理学の理解があると施術がスムーズに進む傾向があります。特にご自身の無意識の心を探索していただくことが大切で、理性で無意識の心に蓋をしてしまうと、治療効果を引き出すことが難しくなります。
 

無意識の心の動き|雑念|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

無意識とは何かということですが、いくつかの説明例があります。例えば、何かに意識を集中するとき、「雑念」が心の中でよぎるのが普通です。
「黄色いバラを想像して、他に何も考えないようにしてください!」と、言われた瞬間に、「なぜ、赤いバラではないのか?」「いつまで・・・」など雑念がでてくるもので、この雑念が無意識です。

また、様々な習い事や運動競技においても、いちいち腕や足をどのように動かすかは意識せず無意識に動かしています。このように私たちの生活の中でほとんど無意識の信号が身体のはたらきや心の動きを支配しているのです。
 

意識と無意識を表した氷山|意識が無意識に従う|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

本来であれば、身体の動きは「無意識」に従って調和を保っているのですが、トップダウンで「意識」が表に出過ぎると調和を乱します。
この図は心理学で有名な意識と無意識を表した氷山の図です。目で確認できない海面下の氷山が無意識の部分で、外界から入力される情報を無意識の小人たちが処理して、運動機能などへ出力します。
 
普通、「意識」でコントロールして運動していると思われがちですが、実は「無意識」が「主」で意識が「従」という主従の関係性でコントロールされているのです。

無意識の「こびとたち」に従うことで「自然体」を創り出すことができます。
意識でコントロールすることも大切ですが、ボトムアップで常に無意識に寄り添って、素直に従うことで本来の自分に合った理想のパフォーマンスができるのです。
 

意識と無意識の関係|野球選手の投球フォーム|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡

 
例えば、プロの野球選手の動画を見て、理想のフォームを身につけようとすると、意識と無意識が葛藤し、イップス原因の一つになる場合があります。

意識では理想と考えても、無意識では自分の身体の体型や感覚に合わない・・・と葛藤しているのです。
プロにとっては理想のフォームでも他者には合うこともあるし合わないこともあるのです。なぜならば、骨格(体力)や運動神経(能力)は個人個人に違いがあるからです。

監督やコーチに指導されてフォームを変えようとして、無意識が抵抗してイップスになるケースもあります。
運動能力を高めるためにフォームの改造は必要ですが、自分に合ったフォームを自分なりに探求して身につけることが大切です。

第六話 イップス治療に対する西洋医学とPCRTの違い〜イップス は本当になおるのか〜 動画で見る

 
PCRTのイップスの治療は、西洋医学の治療のように単純に治療を受ければ良いというものではありません。西洋医学の場合、脳の構造的な何かを問題にしますので、外科的手術であれば、患者さんは受けるだけです。
 
しかし、PCRTの治療は、どのような情報がインプットして誤作動記憶を生じさせ、アウトプットとしてイップスになったのかという因果関係を明確にしていきますので、患者さんに積極的に治療に参加していただかなくてはなりません。
 

イップスの治療|西洋医学とPCRTの違い|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 
イップスの治療|治りやすい傾向のある人|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡

 
1. 生体反応検査法を感覚的に理解できる人
PCRTでは身体の反射を使った検査で、電気信号の誤作動であるか否かを判断しますので、この検査法を納得されている方は信頼関係が高まり改善率も高まります。この検査法に疑いを持たれる方は検査がブレて、効果も引き出しにくい傾向があります。
 
2. 意識と無意識の心を心理学的、感覚的に理解しやすい人
意識と無意識の心の壁が低く風通しが良く、客観的に心の動きを観察しやすい人、検査で示された無意識の心の信号に納得感が得られる人、すなわち無意識の心を信じられる方は改善率が高まります。
 
3. 自分の治る力を素直に信じられる人
本来、人は誰もが治る力を備えています。自分にもその力が与えられており、他者の助言よりも自ら感じたこと、自ら掴んだひらめきや感覚を素直に信じられる人は改善率が高まります。
 

イップスの治療|意識と無意識の壁の風通し|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 

これまで、意識と無意識の話をしてきましたが、イップスの改善には意識と無意識の壁の風通しが良くなることが大切です。個人差はありますが、最初はその壁が厚くても、平均して4回目頃には意識と無意識の壁の風通しも良くなり改善されていかれる方が多いようです。
 
私は、イップスの原因療法でもある心身条件反射療法(PCRT)の開発者であり、セミナー活動で多くの治療家にイップスの施術法を伝授しており、受講された先生方から多くのイップス改善例が寄せられています。
さらに、国立大学の研究者にも興味をもっていただき、科学的な研究が始まっています。
 

心身条件反射療法ホームページ|PCRT|ファミリーカイロプラクティックセンター福岡
 
 

心身条件反射療法(PCRT)のホームページでPCRTの認定者をご紹介しています。治療に興味のある方は、こちらをクリックしてください。(心身条件反射療法の認定者紹介ページが開きます。)
認定者の中でもイップス症状の経験が豊富な先生がいらっしゃいますので、お近くの認定者の先生に直接お問い合わせていただければと願います。
 
第一話〜第六話の動画が、イップス症状でお悩みの方、誰に相談したら良いのか困っている方々のお役に立てれば幸いです。

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