イップス
familychiro 2 月 1st, 2010
28歳男性がイップスの症状を訴えて来院。
イップスとは、スポーツ選手の間で知られている機能障害である。ゴルフや野球などの動作において、無意識に生じる筋肉の異常緊張で、関節周辺の協調運動がうまくできずに生じる機能障害である。
この機能障害には潜在的なメンタル的ストレスが深くかかわっているということがだんだんと一般に知られてくるようになってきた。今回来院して下さった患者さんは、イップスに関して詳しくリサーチされているようで、最近ではマンガにもイップスのことが語られていると教えてくれた。
イップスという名称がついているから、何か特別な障害かのように聞こえるが、心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)を臨床で実践している施術者にとっては、特別な障害ではない。
イップスに限らず多くの機能障害が、潜在的なストレスと脳と筋肉の関係性によって生じ、スポーツ選手に限らず様々な症状がこの心と身体の関係性によって、脳・神経系に誤作動が生じさせ、筋肉の協調運動がアンバランスになって様々な症状を引き起こす。
一般的な医療では、メンタル面はメンタル面の専門家、身体面は身体面の専門家というように細分化されて、その間を埋める「関係性」の診る専門家がまだ知られていない。
人間はロボットのように部品と部品がそれぞれの役割を果たしているというわけではなく、様々なシステムの関係性の中で生かされており、その関係性を診なければ本質的な治療にはつながらない。
その関係性を診る施術法が永年研究を積み重ねている心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)であり、イップスような心と身体の関係性によって脳・神経系に病的な学習記憶(病的条件付け)をする症状にはベストな施術法といえるだろう。
イップスの原因パターンは様々で、それぞれの患者さんにそれぞれのパターンがあり、心身条件反射療法の検査手順に沿っていけば、その原因パターンが明確になる。また、その原因パターンは単独の原因ではなく、複数の原因が何層にも学習・記憶されている場合が多い。
今回来院された患者さんは、卓球の時に以前のようなパフォーマンスができなくなっているとのことで来院。13年ぐらい前から発症し、最近になってそれがイップスであることを知ったらしい。
まだ、一回しか診させていただいていないが、視覚、聴覚、身体感覚などの感覚刺激に対して、複数の病的条件付けが学習・記憶されていた。
特に印象深い条件付けは、意識がドライブやサーブの部分的なテクニカル面に行き過ぎていたとのことで、その意識を技術から理想的な結果のイメージに切り替えてもらい施術すると、病的な緊張パターンが改善された。
これはスポーツ選手がアンバランスを生じさせる学習・記憶の一つで、ある程度のレベルの達してくると、周りのコーチや様々な情報に影響されて、テクニカル面の改良を試みる際に生じやすい。
基本的な技術の改良は大切かもしれないが、それよりもむしろ理想的な結果をさきにイメージして、その理想の結果のイメージなるように、技術が自然に伴ってくる方が、結果的に脳と筋肉のバランスが保たれることが多い。
部分的な技術に囚われると、意識的にも無意識的にもその部分に意識が行き過ぎて、脳が混乱して筋肉の協調運動に支障をきたす。
イップスの原因はこれだけではないが、スポーツ限らず、ギターの演奏の技術向上にもこのようなパターンが深くかかわる
このような症状は、数カ月から永年の積み重ねられた病的な学習結果なので、一度や二度の施術ですべて改善されるわけではないが、原因パターンを心身に再学習させることで着実に改善の道を辿っていくことができる。