バレー少女の足の痛みの本当の原因 その2
familychiro 4 月 11th, 2009
前回の「緊張パターン」を再検査すると、全て陰性反応を示す。今度は、最初に踵が痛くなった原因を検査。
片足立ちやジャンプなどの動作をイメージングしてもらうと、聴覚刺激(お友達の声)と連動して緊張パターンを示した。
また、公演の当日のイメージングをしてもらうと人に見られるという「視覚情報」でも「緊張パターン」を示していた。バレーを始めて8年以上経過しているとのことだが、知らず知らずのうちに緊張させる学習が脳にプログラム化されている様子だった。
さらに、「頑張らなければ・・・」「うまく合わせなければ・・・」などの「ねばならないパターン」で身体が「緊張パターン」に学習されていた。おそらくこのような「緊張パターン」が最初の痛みの原因だろう。
このように本質的な原因を早期に改善しなければ、二次的な条件づけが加わり、悪循環を繰り返してさらに症状を長引かせることになるだろう。
二日後の4回目の来院日、症状を尋ねると、痛みはもうないとのことだったが、前回の「緊張パターン」を検査すると、やはり、前回で示されたお友達の声を聴覚の過敏反応が示されている。
この「緊張パターン」反応を解消しなければ、現在は痛くなくても、練習に戻れば痛みがぶり返す恐れがある。
そのお友達のことを尋ねてみると仲が良いお友達らしく、技術面のことでアドバイスしてくれるらしい。
他のお友達から同じようなアドバイスを受けているとのことなので、他のお友達の声のイメージングをしてもらうと、反応を示さない。同じアドバイスの声でも反応を示す声と示さない声があるのには何か原因がありそうだ。
しかし、本人にはその原因が自覚できていないとのこと。もう少し、そのお友達のことを尋ねてみると、反応を示さないお友達は、ご本人よりもバレーがうまいとのことで、反応を示すお友達は、自分と同じぐらいのレベルのうまさらしい。
潜在的にライバル意識があるのかもしれないが、本人はそのようなことは感じてないとのことなので、とりあえず、そのお友達の声を聞ききながら緊張状態を再現してもらい、パターンアジャストメントで調整した。
その後、さらにバーレッスンやフロアーレッスンの場面を想像してもらうと、どちらも反応を示す。ニューロパターンの検査では、聴覚刺激で、自分の内なる声に過敏になっていた。
練習中に心の中で何か自分に言い聞かせるようなことはないかを尋ねてみると、よく分らないとのこと。そばでの見ていたお母さまが何か気付いたらしく、尋ねてみると、X脚ぎみなので、お腹を上げないといけないと指導され、いつもそういう意識があるらしい。
そのことをイメージングしてもらうと、「緊張パターン」を示す。指導者の方はうまくなるように指導してくれているのだが、その技術的な言葉のいわゆる「暗示効果」が、身体部分に意識が集中するようになり、全体としてのバランス感覚が「緊張パターン」にプログラム化されている様子だった。
このようなケースはニューロパターンセラピー(心身条件反射療法)の臨床現場では珍しいことではない。ある程度のレベルに達したアスリートに陥り易い「緊張パターン」のケースである。
テクニカル的な指導は大切なことではあるが、マインドが機械的に身体の解剖学的な部分に集中させるようにプログラム化されると、全体としてのバランスが損なわれる傾向にある。
保井:ちょっと質問させてもらってもいいですか?Aさんは何のためにバレーをしていますか?
患者様:・・・・自分のために
保井:自分の何のために
患者様:・・・・・・・
保井:だいたい喜びと感動とかのためにやっている人が多いようですがどうですか?
患者さんは大きくうなずかれた。
スポーツだけではなく、習い事などは、最初は喜びのために、自分がしたくて好きではじめたはずなのだが、だんだんとねばならない(must)的な義務感などへのパターンに転化してしまい、脳に緊張パターンを作ってしまう傾向は少なくはない。
~ねばならない(Musut)的な思考パターンを本来の自分らしい、自分が~したい(want)という思考パターンのイメージングに切り替えてもらいパターンアジャストメントを行うと、先ほどのバーレッスンやフロアーレッスンでの反応は消失した。
そして、ジャンプをしてもらっても足の痛みは感じなくなった。つづく