常に条件づけ(記憶化)、学習される脳
familychiro 11 月 29th, 2008
人間という生き物は、ある刺激を受けると、無意識に身体や心が反応を示す「条件反射」という機能を備え持っています。その機能は健康を保つ上でとても大切な働きです。
例えば、反射作用の一つに眼瞼反射という神経反射があります。これは、誰もが経験していることですが、突然目の前にものが飛んできたりすると、無意識に瞼を閉じる作用で、目を保護するための大切な反射作用です。
この反射作用は学習で獲得するのではなく、生得的反射、すなわち生まれ持った作用で無条件反射とも呼ばれます。
この無条件反射に対して、条件反射と呼ばれるものもあり、これは後天的な刺激学習によって獲得される作用で、犬をつかったベルの音刺激により、唾液分泌をおこさせるようにした実験は有名です。
この条件反射を引き起こさせる過程を条件づけといい、この条件づけは可塑的であるということ、すなわち元の状態に戻すことも可能であるという点が、この条件反射の特徴なのです。
この条件反射作用の概念で様々な症状や病気を考察すると、病気や症状の本質的な原因が病的な条件づけから生じているということが見えてきます。条件づけとは言いかえると脳・神経系への病的な学習効果による結果なのです。だから、再学習することで病的に条件づけされた機能的症状は改善されるということです。
例えば、居住地の列車の騒音で、脳が過敏に条件づけされている場合、自分の好きな音楽と列車の騒音を合わせて聞いているというイメージングで心身条件反射療法を施すと、脳は新たに条件づけされて心身への過敏反応は解消されます。つまり、心身に緊張を生じさせていた「緊張パターン」に換わる「リラックスパターン」の神経回路が脳にプラスアルファーされたということになるのです。
また、交通事故やスポーツ外傷によるトラウマも脳に病的に条件づけ(記憶化)され、ほとんどのケースで、その場面をイメージしてもらうと、身体に緊張反応を示します。
脳への過敏反応は視覚的に条件づけされていたり、聴覚的に条件づけされていたり、あるいは体感覚的に条件づけされていたりと、人それぞれに異なりますが、何らかの知覚情報(入力)が脳に条件づけされ、それに伴って様々な症状(出力)を引き起こします。
このようなケースもそれぞれの入力情報をイメージングによって変えて、心身条件反射療法を施すと、ほとんどのケースで病的な条件づけは解消され、それに伴う症状も解消されます。
これは、ほんの一例ですが、脳は様々な局面で条件づけされ、さまざまな心身の症状を引き起こしているのです。
このような病的な条件づけの結果が、単に肉体症状に限らず、メンタル的情動にも影響を及ぼします。
例えば、今あるイライラ感が10のレベルだとすると、そのイライラ感を引き起こした病的な条件づけを検査して心身条件反射療法を施すと、そのレベルを半分以下に下げることも可能です。
いい方を変えると、脳は常に「錯覚」を生じさせる性質があるので、健全に「錯覚」させ直せばいいのです。
このような施術法にて症状がその場で解消されると、最初は「不思議~」という声がほとんどですが、回数を重ねるごとにこのような施術が当たり前になってくると、患者様の方から「このことがストレス(心身に悪影響)になっているかどうか診てくれますか?」と尋ねられるようになってきます。
ご自身で自己と向き合い、そこに錯覚が生じているのであれば、それをしっかりと認識して、積極的に修正しようという姿勢はとても素晴らしいことだと思います。
人間の意識には、大きく分けて顕在意識と潜在意識という二つの意識があり、特に潜在意識は深くなればなるほど、自分では認識し難い意志の世界です。
すなわち、自分の本音というものは、深いレベルでは分かりにくいものです。他人の行動を見て、言っていることと、行動が違うということはよく分かりますが、いざ、自分のことになると、よほど客観的に自分の言動や行動を観察しない限り分からないものです。
自分の潜在意識レベルの本音を知るということは、ご自分の健康や人間関係を豊かにする上でとても大切なことです。
心身条件反射療法は無意識レベルの生体反応を読み取る検査法なので、深いレベルの自己認識を図ることが可能です。
心身条件反射療法を積極的にご利用されて、自己と自我の統合、理性と感性の統合、本音と建前の統合を図り、健康で、ご自分らしくより豊かになられるお手伝いができればと願っております。